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▼二重らせん
著者のジェームス・D・ワトソンは、言わずと知れた「ワトソン・クリックの二重らせん」構造を発見したワトソン。
DNAの構造解明に成功するまでの過程をリアルに、そして赤裸々に語った感動のドキュ メント。
科学者仲間の協力だけでなく確執や嫉妬もすさまじい。
彼らが、二重らせん構造をとらえるに至る過程でのポーリングとの先陣争いのつばぜり合いも熾烈である。
発見後まもなく書かれたということで、いわゆる回顧録とは異なって、当時の新鮮な熱気が伝わってくる。
アメリカからやってきた生意気なヒッピー「ワトソン」と偏屈な「クリック」が、 いかに楽しそうに、また悩みながら研究をしていたかが生き生きと描かれている。
科学という普遍性や客観性を求められる仕事と、それに携わる人たちの個性や主観 のぶつかりあいの対比が面白い。
また、DNAのらせん構造決定の大きな証拠になったX線解析の写真を持っていたのは ロザリンド・フランクリンという女性。
この女性から、どうやって写真を見せてもらうのか?
その入手方法は、果たしてフェアと言えるのか、どうか。
彼女が待つ悲劇とは?
本文中でクソミソに描かれているX線結晶解析の大御所「ブラック卿」に「紹介文」 を書いてもらっているのが、おかしい。
翻訳は「あの」中村 桂子さん。
彼女の最初の翻訳だと思うな。。。
しかし、この発見当時の「生意気なヒッピー野郎、ワトソン」は若干25歳だったとは!
最近、またワトソンが書いた「DNA」と合わせて読むと、面白さは倍増です。
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▼「相対性理論」を楽しむ本―よくわかるアインシュタインの不思議な世界
僕は以前(10年ほど前)、都筑卓司『10歳からの相対性理論』(講談社ブルーバックス)を読んで、へーー!と初めて「相対性理論」に驚いた。
それまではとりあえず名前ぐらいは知っているというレベルだった。
そこで、このを紹介しようと思ったら、なんとアマゾンでも楽天でも、もう取り扱っていなかった。
残念無念と、何か、いい本はないかと物色して見つけたのが、本書だ。
「相対論を楽しむ本」というタイトルは本書の内容を言い当てて妙である。
相対性理論とは1人の物理学者の日常的な現象についての素朴で純粋な問題意識と単純な思考の積み上げによるものである。
相対性理論は難解であり「道具」を知らない人は近づくことができないと思われているがそれは必ずしも正しくない。
特殊相対性理論についての基本的な考え方は素朴かつ単純で、誰にでも近づくことを許している。
本書を通じて感じられるのは著者の相対論への愛である。
まるで嬉々として自分の恋人について語るように、独創的なたとえを交えながらかんで含めるように、しかし、できうる限り妥協なしに解説している。
コンパクトな本ではあるが内容は豊富で、アインシュタインの生い立ちから、特殊・一般相対性理論の解説、さらに相対論の宇宙論への応用と最新宇宙論の解説にも2章を割いている。
著者の相対論への愛に満ちた本書は読んでいて楽しく、まさに「相対論を楽しむ」ことができる。
相対性理論の革新性と「美しさ」、世界の奥深さが堪能できる本。
宇宙が実は虚数の時間において生まれたとするホーキンスの理論まで、幅広く網羅し解説するこの本。
「相対性理論」の初心者(つまりほとんど全ての人)に推薦できます。
(実は現代の最も驚異なことは、わずか500円で、宇宙の真理に迫る理論を垣間見れることだ。極大の理論「相対性理論」と極微の理論「量子論」の両方でも1000円である。パチンコならものの3分で使い果たす金額で宇宙を感じることができる、これこそが現代の驚異だ。)
●「相対性理論」を楽しむ本 (楽天)
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▼「量子論」を楽しむ本―ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる!
素粒子のしくみから宇宙創生までを解明する鍵となる物理法則「量子論」。
本書ではそのポイントを平易な文章と図解を駆使して徹底解説。
とても興味があるけれど、むずかしくて理解できない……そんな代表的なものが、アインシュタインが提唱した「相対性理論」だろう。
ところが、現代物理学にはその相対性理論よりも難しく、奇妙で、なおかつとても面白い理論がある。
それが「量子論」。
一番身近な例をあげると、最近はほとんどの人が持っている携帯電話やパソコンのもっとも重要な部品ともいえる半導体チップの中を支配している法則である。
こればかりではなく、素粒子などのミクロの世界に適用されるもので、人などの遺伝子など生物の構造や進化、そしてマクロの極限である宇宙の創生までを解明するとされている。
本書は、その量子論のポイントが一目で理解できるように、図やイラストを多数使って初心者向けにわかりやすく解説した格好の入門書。
最先端物理学の不思議な世界を手軽に味わうことができる。
量子論を知らなくても、日々の生活に支障はないのですが、この本を読む前と読んだ後 では、自分の見えている景色が違って見えてくる・・・そんな「突き抜けた話」です。
各章の冒頭にその章のポイントを提示、各章の最後にその章のまとめを記載、という構成も読者の頭の整理に大いに役立つものと思います。
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