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▼新しい薬をどう創るか(創薬研究の最前線)
本書は「臨床開発」ではなく「基礎研究」の本だ。
しかし、ただの方法論ではなく、実際に使われている薬がどう創られてきたかという興味津々な部分をコンパクトに紹介している。
例えば、古くはアスピリン、インスリン、モルヒネから新しくは抗ウイルス剤、アルツハイマーの薬「アリセプト(ドネペジル)」、DDSの話題、そしてゲノム創薬まで。
臨床開発も大変だが、基礎でのシーズ探しのスクリーニングや新しい発想など、これまた苦労が絶えない。
だからこそ、「面白い仕事」なのだが。
この本は一般市民を対象として書かれてはいないが、ある程度の化学的知識、生物学的知識が有れば面白く読める。
なにしろ、ドネペジルを開発した研究者自身が書いた章もあるのだ。
本書は非薬学出身者で治験業界、製薬業界に入ったきたひとが薬の勉強をするときの「刺激剤・興奮剤・触媒」として読めるのはもちろんのこと、薬学出身者でも、最近の創薬技術をおさらいするのに丁度よい。
「新しい薬」を創るのって、どうして、こんなに面白いんだろう?
(なお、筆者たちは全て京都大学大学院薬学研究科の教授たちだ。)
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▼『薬 Drug』
なかなかに良心的な本です。
一般の人向けに書かれた薬の本ですが、専門家が読んでも楽しめます。
それにある種の警鐘まで鳴らしてくれています。
ちなみにこの本では世界で最初の薬理学者は中国にいたと書いています。
果たしてそれは誰でしょう?
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製薬業界を斬る!
▼ビッグ・ファーマ ― 製薬会社の真実
製薬ビジネスにかかわるすべての人に読んでもらいたい書籍が登場した。
副題が「製薬会社の真実」とあることから、本書をいわゆる暴露本ととらえる人もあるかもしれないが、その主張のほとんどはしっかりとした根拠に基づいている。
著者のエンジェル氏は、医学雑誌The New England Journal of Medicineの前編集長。
タイム誌が、米国で最も影響力のある25人に選んだこともある人物だ。
掛け値なしに一流のジャーナリストである同氏が、「製薬企業は不誠実で狡猾だ」と全力を挙げて告発するために著したのが本書である。
「製薬業界の技術革新力が特に優れているわけではない。重要な薬の多くは、公的研究やバイオテク企業から生まれている」
「製薬企業は薬が良く効くように見せかけるため、臨床試験に細工を施している」
「薬の開発に多額の資金が必要だというのは嘘で、ほとんどはマーケティングにかかる費用である」などその内容は刺激的である。
ただし、著者が“悪”と断じている行為は、業界にとってはどれも当然のものばかりだ。
実際、製薬企業向けのセミナーでは、法の網をかいくぐって特許期間を半年でもいいから延長する方法や、ゾロ新薬をピカ新に見せかけるマーケティング手法が人気を呼んでいる。
それだけに、製薬業界がこの本にどう反論するかが興味深い。
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★世界で一番売れている薬
第13回小学館ノンフィクション大賞受賞作
2006年の小学館ノンフィクション大賞「優秀作」を受賞した本作は、高脂血症治療薬「スタチン」を開発した遠藤章博士の半生記である。
約6000種類の菌類の試験から、ついに目的の物質「ML236B」を開発したが、会社の無理解、同一物質を発見したとするライバルの登場、特許をめぐる日米の障壁と商品化までに多くの曲折があった。
現在世界で3000万人がこの薬を飲んでいるといわれる。
最近、日本人の食生活の変化により、メタボリックシンドロームの危険性が叫ばれているが、心臓病や脳卒中による死亡リスクを3分の1にまで減らしたといわれるこの薬がなければ、もっと大変な事態になっていたのは間違いない。
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★新薬スタチンの発見―コレステロールに挑む
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★企業トップが語る「医療・ヘルスケア」ビジネス最前線 東京大学大学院医学系・薬学系協力公開講座
本書は、2004年に東京大学大学院医学系・薬学系協力公開講座として、医療ビジネスをテーマに行われた、全15講義の講義録。
花王、マツモトキヨシ、セコム医療システム、オムロンヘルスケアなど、医療関連ビジネスに新たな地平を切り開いてきた各社の事業責任者が講師として登壇、自社の事業を具体的なケースとして紹介しながら、業界全体が抱える課題や可能性について鋭く切り込んでいる。
その内容は、「医療ビジネス」という言葉で一般に想起される、病院や診療所の経営課題をはるかに超え、リゾートホテルチェーンのリゾートトラストが展開する健康診断サービスから、ベネッセの介護事業、化粧品ブランド・シュウウエムラのサプリメント事業まで興味深いものばかり。
医療・ヘルスケア分野で新規にビジネスを立ち上げたいと考える方にはぜひ、一読を薦めたい。
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【続編】
★変身を加速する医療ビジネス再編のリーダーたち
大手の医療機関、医薬品・医療機器のメーカーや流通などで加速する買収、合併、統合…。
一方、次々に創出されるバイオ・医療系ベンチャー。
治療、予防、健康、介護などの融合で進むQOL向上ビジネス。
新しいビジネスチャンスに各界の権威が熱く講演した。
医療産業に幅広く見識を持つ経営指導者が、治療・予防・健康・介護の融合で進むQOL向上ビジネスなどの新しいビジネスチャンスについて語る。2005年10月から06年2月に行われた公開講座に加筆修正して単行本化。
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★ファイザーCEOが語る未来との約束
世界最大手製薬会社トップの渾身の提言!
世界中のシステムが、ヘルスケアを標榜しながら、実際には多くの人々から健康と幸福をむしり取っている。
これはアメリカのみならず、世界に共通して見られる現象だ。
医療制度はもはや崩壊寸前、小手先の改革では立ち行かない。
従来の延長線上にない、新しい考え方が必要だ。
たとえば、治療から予防へ軸足し、真のヘルスケア社会を実現することがカギになるのではないか。
だれでも体にメスを入れるより、薬で治したほうがいいだろう。
さらには、病気にならずすむなら、それにこしたことはない。
こうして、個人個人の健康を取り戻すことは、結果として社会全体のコストを下げることにもつながるのである。
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★不確実性のマネジメント 新薬創出のR&Dの「解」
問。巨額投資を要する創薬ビジネスは「バクチ」や「宝くじ」の類にすぎないのか?
答。否。
そこには競争優位の源泉たる固有のマネジメントが存在する。
新薬開発は、俗に「千に三つの成功」「アイロンの開発を目指して電気ポットができる世界」と評される。
では、百億円を投じる画期的新薬の開発は、どこまでも"水もの"で、効果的なマネジメントなど存在しえないのだろうか?
気鋭の経営学者が創薬ビジネスの構造と、そこにおけるマネジメントのあり方を、本邦で初めて、明解に読み解いてみせる。
プロジェクトX的な開発ストーリー(世界初の高脂血症治療薬「メバロチン」、アルツハイマー型痴呆治療薬「アリセプト」)もふんだんに紹介しつつ、業界の雄・武田薬品の開発力の秘密を解剖し、かつ、これまで明らかにされてこなかった製薬企業の研究開発マネジメントの核心を書き下ろす。
産業間比較の視点を導入し、自動車からソフトウエアまでの、「イノベーション」研究史を、興味深いキーワードを通じて学べる工夫も凝らされている。
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★医薬品業界再編地図―相次ぐ大型合併で終わりのない戦いが始まった!
「2010年危機」をどう乗り越えるのか?
企業の浮沈を左右するのは新薬開発体制づくり。急がれる「2010年危機」をどう乗り越えるのか?
アステラス製薬、第一三共、大日本住友製薬の誕生-。
2005年は医薬品業界再編時代の幕開けとなった年であった。
新薬開発体制づくりなど、注目会社の置かれた状況、将来像、戦略を分析し、再編の可能性を探る。
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★よくわかる医療業界
◎類書なし。“医療業界”全体をダイジェスト
年金・介護保険に引き続き、今年は医療保険制度も大きく改正され、マスコミの注目を浴びています。
急激に膨れる医療費の抑制を目的としたこの改正の内容は、医療費を支払う患者側の問題だけでなく、各医療機関等の経営にもかかわる問題です。
そうしたなか、“医療の現場”はどのように変化しようとしているのか、「病院・診療所」「製薬会社」「調剤薬局」「医薬品卸」「医療機器メーカー」「医療関連サービス業」「介護関連サービス業」など、各業界の現状とそれぞれの企業データを解説します。
◎“医療”に携わるすべての人に!
本書は医療業界に関する基礎知識から関連ビジネスの概要までをまとめただけではなく、医療関係者(医師、看護師、薬剤師、MR、医療機器メーカーの営業マン、製薬会社の治験担当者、医療ソーシャルワーカーなど)へのインタビュー行い、専門化が進む仕事内容やふだん思っていることなども盛り込んでいます。
一風変わった“活きた内容”をお届けします。
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★MBAを超える医薬品ハイブリッド・マーケティング―6兆円市場で勝つための市場戦略
医薬品を取巻く周辺環境とその対策を克明に記した、医薬品マーケティングの教本。
大手製薬企業で営業本部・マーケティング部を歴任し、現場を知り尽くした著者ならではの提言が随所に盛り込まれています。
法的規制が多い医薬品業界では、伝統的なマーケティング手法が採用されてきました。
しかし、製薬企業の合併が日常茶飯事になり、業界に変動が続く今となっては、伝統的なマーケティングに頼りきることへの限界が見えています。
本書はこの時代を生き残るための、異業種のより優れたマーケティングと医薬品業界伝統の手法をミックスした「ハイブリッド・マーケティング」を記した教本となっています。
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★日本医薬品企業の構造改革
日本の医薬品企業の一部は果たして生き残り、世界医薬品市場の一角を占め得るのか?
また、ローカルのまま単独でも国内市場で一定の市場地位を確保していけるのか?
厚生労働省の「医薬品産業ビジョン」の発表で、製薬企業人が改めて認識することになったこの不安に対し、解を出すべく取り組んだ書籍。
日本ロシュを退社しコンサルタントとして独立した著者が、製薬企業の社員に問題意識を促したものでもある。
内容はまず、日本の医薬品産業が現在直面している事業環境上の課題を「4つの構造的危機」として整理。
課題を克服するためには、研究開発ポートフォリオ・マネジメント、営業・マーケティング、人事制度、流通など、企業全般にわたる構造改革が不可欠であるとして、医薬品企業が実行するべき「全般的構造改革プログラム」を提言している。
日本の医薬品企業が陥っている4つの構造的危機を概説し、「研究開発ポートフォリオマネジメントの改革」「営業体制の改革」「人事制度の改革」「流通構造の改革」として構造改革のプログラムをまとめ、提示する。
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★医薬品企業の経営戦略―企業倫理による企業成長と大型合併による企業成長
企業成長を目指して世界的な大型合併を繰り返す医薬品企業。
しかし、成長力の真の源泉は患者さんの生命を助けたいという強い思いだった!
多数のデータを駆使して医薬品産業の現状を分析し、これからの同産業がいかにあるべきかを問う。
医薬品メーカー関係者、医療関係者、経営学者等必携の書。
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★ひと目でわかる医療機器業界―業界の俯瞰図が瞬時に把握できる!
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★医療の値段―診療報酬と政治
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★入門 医療経済学―「いのち」と効率の両立を求めて
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★図解入門業界研究 最新医薬品業界の動向とカラクリがよーくわかる本
●最新医薬品業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本改訂第2版 (楽天)
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★医薬品業界2010年の攻防―主力薬品の特許切れをめぐる業界の動きを先読む
●医薬品業界2010年の攻防 (楽天)
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★ジェネリック医薬品ビジネス―マーケティング戦略と展望
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★実践 医薬品マーケティング・コミュニケーション―医薬品マーケター必携の実務書
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■医学・薬学の本(その2)はこちら |
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